相続の面倒な手続きに失敗しないための方法

2018-03-22

「親がなくなって相続が発生するけれど、なにか手続きをしなければならないのかな…」
専門家でなければ、ほとんどの方が相続手続きの経験はないでしょう。相続のための手続きはいくつかありますが、ほとんどの手続きはそれほど難しくなく、数も多くないため、ご自身でも十分こなせます。
しかし、不動産の登記のような不慣れな手続きや、ご逝去の後の気が動転しているときの手続の際には、なかなか冷静になれないものです。
そのため、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
ここでは、相談するにあたってまずは知っておくべき、遺産相続に必要な手順をご紹介します。
 

■遺産相続に関する手順

遺産相続をするときには、場合にもよりますが、以下の4つの手順が必要です。

・遺言書の確認
・相続人の確定
・相続財産の全容を把握
・相続税申告

まずは、「遺言書」があるかどうか、あればその内容を確認します。
相続分割の分配を決めるのに必要だからです。遺言書があり、その内容が法的に有効であれば、それに従って遺産の分配が決まります。
ただし、必ず遺言書に従わなければならないわけではなく、相続人全員が遺産分割協議を行うことで財産を分配することも可能です。そのときには「遺産分割協議書」の作成が必要です。

相続にあたっては、「相続財産の全容を把握する」必要があります。
遺族が知らない相続資産があったというケースはよくあります。
また、相続財産には、不動産や株のようなプラスの資産だけでなく、借金のようなマイナスのものも含まれています。
そのため、見逃しているものはないか、債務超過になっていないかなどを確認します。
仮に、債務超過になっている場合は、「相続放棄」によって負債を免れることもできます。
ただし、同時にその他の財産の所有権も失うので注意してください。

また、不動産を相続した場合には、「名義変更登記」をする必要があります。

遺産総額が、相続税の基礎控除額を上回る場合は「相続税の申告」をする必要があります。
基礎控除額を明らかに下回る場合は、申告の必要はありません。
申告が必要な場合、10ヶ月以内に相続税申告を行わなければ、無申告加算税という通常の税率よりも加算された税金を支払わなければなりません。また、基礎控除以外の、配偶者特例や小規模宅地特例を適用することもできなくなってしまいます。

遺産相続のためにはこのようないくつかの手順があります。
ご自身でできないわけではありませんが、手続きに期限があったり、素人では判断できないこと(例えば、財産と負債の見極め)があったりするので、専門家に相談することをおすすめします。