遺言書を作りたい、でも、誰に相談するのがいい?

2017-10-17

「遺言書についてもっと知りたい」「自分だけでは不安だから、法律の専門家の話を聞きたい」

遺言書を書く機会はそうありません。いざ書こうとしても、「どう書けばいいのかわからず不安」という人は多いと思います。そこで、専門家の話を聞きたいと思うのではないでしょうか。しかし、専門家にも弁護士、司法書士、行政書士の3つがあり、どこに相談すべきか困っている人もいるはずです。そこで、今回は専門家ごとの特徴についてそれぞれ見ていきます。遺言書の相談をする参考にしてください。

・遺言書を書くのは必ず本人

最初に知っておいて頂きたいことは、「遺言書を書くのは必ず遺言者本人」ということです。自筆証書遺言はもちろん、公正証書遺言も、遺言者本人が述べた内容に従って公証人が作成します。専門家の仕事は遺言者の希望を聞き出し、適切な遺言書のお膳立てをすることです。遺言書を完成させるのは遺言者本人でなければいけません。依頼すればすべてやってくれるというわけではないので、ご注意ください。

・弁護士の特徴

弁護士は紛争解決の専門家です。遺産を巡って相続人間に紛争が生じることがほぼ確実である様な場合は、弁護士に相談することをお勧めします。法的紛争について当事者の代理人となって交渉していくのが弁護士で、裁判などを通じた紛争解決の経験やノウハウを積んでいます。将来の紛争を最小限にとどめるための遺言書や、遺言書自体が紛争の種になるであろう場合など、弁護士の経験・ノウハウが役立つかと思います。

・司法書士の特徴

司法書士は不動産登記の専門家です。相続の多くの場合に不動産が関わるため、不動産以外の財産も含めて、相続手続の専門家として多くの経験を積んでいます。裁判沙汰など紛争が生じる様な事は無いものの、遺産を巡って揉めることのない様に遺言書を遺しておきたい、相続人の中に長年音信不通の者がいる場合や子供がいない場合など遺言書を作っておいた方が良い、といった多くの場面でお役立ちできると思います。

・行政書士の特徴

行政書士は法的文書作成の専門家です。不動産登記以外の事では、司法書士と同様に、相続手続の専門家としてご相談頂けます。

・相続税がかかる場合には税理士も

税金の専門家は税理士です。上記3つのどの専門家に相談する場合でも、遺産総額が相続税の基礎控除を超えて、それなりの相続税額が発生するであろう場合には、税理士に試算してもらいながら遺言内容を考える事も重要です。遺産の分配の仕方で相続税額も変わります。まず自分の知っている税理士に相談してから、あるいは相談した弁護士・司法書士・行政書士に紹介してもらいながら、遺言内容を決めていく様になるでしょう。

今回は遺言書の相談を頼める専門家をご説明しました。弁護士・司法書士・行政書士のいずれについてもそうですが、各事務所でそれぞれ専門分野もあります。また当然ながら人柄は十人十色で異なりますし、相性が合う合わないもあるでしょう。相談をする際はまず複数の専門家にあたってみるのも良いかと思います。