戸籍・除籍の収集
不動産や預貯金・株などの相続手続きをする場合、必ず、亡くなられた方の出生から死亡までの除籍・改製原戸籍や、相続人全員の戸籍などが必要になります。
その収集方法などを、以下に掲載しています。
こちらに載っていない事や、載っているけどよく分からないといった場合には、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。
些細な事でも気軽にご相談して頂ける様に、相談はいつでも無料にしています。
なぜ亡くなられた方の出生からの除籍・改製原戸籍が必要なのか
不動産・預貯金・株などの相続手続には、戸籍や除籍謄本の提出を要求されますが、亡くなられた方の死亡した記載のある戸籍(除籍)だけではなく、亡くなられた方の出生まで遡って、改製原戸籍や除籍謄本などを集める必要があります。
これは、法定相続人になる者を確認するためですが、子供を作る身体的能力が備わるおおよそ12歳以上の戸籍まで遡って、子や養子が戸籍に記載されていないか、婚外子を認知していないかを調査する必要があるのです。
私の経験上も、家族が知らない婚外子を認知していた例などあります。
認知された方も法定相続人になるので、遺産分割をするにはその方の実印や印鑑証明書が必要になります(法定相続人の一部だけで遺産分割協議をしても無効です)。
※なお、婚外子を認知した場合、認知した時点の、認知した父親の戸籍に載りますが、その後引っ越して転籍するなどして、戸籍が変わると、その戸籍には載らないため、注意が必要です。
私が経験した件でも、認知して間もなく転籍していたため、奥様も含めて家族のだれも知らない状況でした。
転籍する前の除籍を取得する様な事は、相続以外ではまずありません。
その後、遺産分割に至るまで、かなりの苦労がありました。
除籍・改製原戸籍とは
戸籍収集をしていると、戸籍・除籍・改製原戸籍といった言葉がでてきます。
人が生まれるとまず親の戸籍に入り、その後、結婚すると、親の戸籍から出て自分たち夫婦の戸籍を作ります。
また、引越しをした時に本籍も新しい住所地に移す方も多いです(転籍)。
それらの度に、戸籍は新たに作られ、以前の戸籍は、その戸籍から全員居なくなれば、「除籍」として一定期間保存されます。
また、定期的に戸籍は改製されます。
今の戸籍はコンピューター化され横書ですが、これは平成7年あたりから順次「改製」されたもので、それ以前は縦書き(手書き)でした。
この改製前の戸籍を、「改製原戸籍」といいます。
なお、縦書きの戸籍も過去に何度か改製されていて、改製原戸籍の前のものも改製原戸籍といいます。
ちなみに除籍や改製原戸籍の保存期間は、以前は80年でしたが、平成22年6月から150年に伸長されました。
戸籍収集の方法
戸籍収集は、1か所で全て集まればよいのですが、ほとんどの方はそうはいきません。
例えば先祖代々ずっと海老名に住み、戸籍もずっと海老名にあったという方であれば、海老名市役所へ行って「相続手続きで必要なので出生までの全ての戸籍を取りたい」と言えば、すぐに全て揃います(改製原戸籍や実家にいた時の戸籍除籍などで、出生まで遡ると、少ない方でも3~5通出てきます)。
しかし、愛知県の実家の戸籍から、結婚して海老名で新戸籍を作ったという場合には、愛知県の市区役所で実家に居た時の戸籍(除籍)謄本を取る必要があります。
通常、郵送で請求します。
今はたいてい市区役所ホームページで請求書をプリントアウトできます。
請求書と一緒に、手数料分の郵便小為替と、返信用封筒を入れて送ります。
海老名の前は栃木県に住んでいて本籍も移した、その前は実家の愛知県だけれど、実家も愛知県の前は福岡県に本籍があった、というように過去に何度か転籍をしていると、郵送を繰り返しながら過去に遡って集めていくことになり、かなり手間がかかります。
なお、司法書士は、不動産登記の依頼を受ければ、職権でこの戸籍収集を行う事ができます。