遺言として法的に有効な方法は3種類あります

2018-01-21

ご高齢になる、あるいは病気をお持ちになることでご自身が亡くなった時のことについて考えるようになる方もいらっしゃることでしょう。
その時に気になることのひとつは、ご自身の遺産のことかと思います。
 
「特定の子供に自宅など相続させたい」、「分配はこのようにしたい」などとそれぞれの方が異なった思いをお持ちのことでしょう。
しかし、どんな方でも、自分の資産の相続をめぐって大切な親族が争うことは望まないことと思います。
そこで、争いを未然に防ぐためにも遺言を作成することをお勧めいたします。
 
遺言(ゆいごん・いごん)とは、人が自分の死後にその効力を発生させる目的であらかじめ書き残しておく意思表示のことです。
このうち、後見人の指定・相続人の選択・資産の分配、といった点は法的効果を生じます。遺言を作成することによってご自身が亡くなった後の相続や資産の配分を揉め事なく行うことが可能になります。
その遺言の方法にはどのようなものがあるのかについてみていきましょう。

 

◎遺言の3つの方法

遺言には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言という3つの方法があります。
 
「自筆証書遺言」は、自分一人で作成するものであり、証人を必要としません。
そのため、内容を秘密にすることが可能です。
作成後は自分で保管します。費用はかかりませんが、遺言内容を執行するには家庭裁判所の検認を経ることが必要になります。
 
「公正証書遺言」は、遺言を公正証書にして公証役場で作成し、作成後は原本を公証人・正本および謄本を自分自身が保管します。2人の証人が必要ですが、身近に適切な方がいない場合は、公証役場で紹介してもらえます。
費用としては、公証人へ財産価額に応じた手数料と、2人の証人への謝礼金が必要になります。
家庭裁判所の検認は必要ありません。公証人が法律の規定どおりに公正証書として書類を作成しますので、確実な遺言書が作成できます。
 
「秘密証書遺言」は、封印した遺言書をさらに公証役場で封印し、作成後は自分で保管します。
こちらも、公証人への手数料と証人への謝礼金が必要です。
遺言内容は公証人に知られない方法ですので、絶対に亡くなるまでは秘密を守りたいという場合に利用できます。
開封時には家庭裁判所の検認が必要になります。
 

親族に迷惑かけたくない・揉め事の解決をしたいという思いをお持ちの方は多くいらっしゃることでしょう。
遺言を残しておくことは、ご自身の意思を反映するだけではなく、後々も仲の良い親族関係を構築する手助けにもなります。