遺言書の検認手続き「封印付き遺言書は開封してはいけない!」

2018-04-19

封印された遺言書はすぐに開封してはいけないということをご存知でしょうか。
開封しない状態で、家庭裁判所による「検認」の手続きをする必要があります。

大切な方の遺言書、だからこそ早く開けて内容を確認したい気持ちになると思いますが、封印された遺言書は、「検認」の日まで内容の確認はできません。

今回は遺言書の検認についてご説明します。

 

■遺言書の種類

遺言書は、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類に分類されます。
・自筆証書遺言とは
この遺言書は、遺言者が自身で作成し自宅で保管します。
そのため自筆証書遺言と呼ばれます。

・秘密証書遺言
この遺言書は、遺言者が自身で作成し、保管だけ、公証人役場に頼みます。

・公正証書遺言
この遺言書は、公証人役場の公証人が遺言者と相談しながら作成し保管します。

 

■封印のある遺言書は開けてはいけない

自宅から遺言書が見つかった。もし遺言書に封印があれば、勝手に開けて見てはいけません。
家庭裁判所で検認手続きを行い、その際に開封します。

なお封印とは、封筒の封を閉じて印鑑を押したものを言います。封を閉じていても印鑑を押していないものは封印ではありませんので、開封しても問題はありません。

 

■遺言書の検認

封印の有無にかかわらず、自筆・秘密証書遺言は検認手続きが必要です。
家庭裁判所で相続人全員が集まり、確認することになります。

目的は2つあります。
・遺書の有無・内容を告知すること
・遺言書の偽造を防止すること
です。

まず、申立人(保管者・発見者)が検認申立を行います。
すると、裁判所から相続人全員に検認日時が通知されます。
当日、裁判所で検認します。
検認が済んだら、検認済証明書をもらいます。
その後、遺言書を使って各種の相続手続きを行います。

 

■申立人

通常、遺言書を発見した人もしくは遺言書を頼まれて持っていた人が、検認申立を行います。

 

■遺言書を検認前に開封した場合

5万以下の過料が課されてしまいます。

さらに遺言書に偽造変造の疑いがある場合は、過料だけでなく遺言書の効力自体も問題となってきます。

 

■まとめ

・自筆証書遺言と秘密証書遺言は家庭裁判所で「検認」が必要である。
・「検認」まで、封印付き遺言書を開封してはいけない。
・遺言書がある場合は、家庭裁判所に検認済証明書をもらってから、相続手続きが行える。

 

以上が遺言書の検認手続きの説明でした。
たかの司法書士事務所では、遺産相続に関する手続きをお手伝いしています。
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