秘密証書遺言の作成の仕方

2017-11-30

遺言を作成したい方々の中で「出来れば生きている間は、その内容を誰にも知られたくない。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合に利用できるのが、「秘密証書遺言」です。
 
この遺言は、内容を誰にも知らせずに秘密にしたまま、公証人に遺言書の存在のみを証明してもらう物です。
あまり利用されることはないのですが、一応、その使い方を知ってもらうため、今回は「秘密証書遺言」について、その作成方法をご紹介します。
 

■遺言書の作成

まずは、遺言者が自分で遺言書を作成します。
「自筆証書遺言」と異なるのは、手書きでなくワープロやパソコンで作成しても構わないというところです。また、「公正証書遺言」と異なり、遺言書の作成を一人で行えることも、この遺言の特徴の一つと言えるでしょう。
 
最後に署名と捺印、そして日付を入れるのを忘れないでください。内容はパソコンで作成できますが、署名は自筆である必要があります。
遺言ができたら、封筒に入れて封印をしましょう。その際には、遺言書に捺印した印をお使いください。
 

■遺言書の提出

次に、先ほど封をした遺言書を公証人と証人の2人以上の前に提出します。
この際、自己の遺言であることを申請し、氏名と住所と一緒に提出すれば申述が完了です。
 

■公証人が封筒を確認

公証人が、その遺言を提出した日付、遺言の申述内容を封筒に記載して署名と捺印をします。
その他にも、証人と遺言作成者本人も封筒に署名と押印をして、一連の手続きは終了です。
 

■家庭裁判所の検認

この遺言書の作成自体には、公証人が関与していないため、家庭裁判所での検認を行う必要があります。この際、秘密証書遺言は必ず封をされているはずです。検認の期日に、家庭裁判所で開封することになります。
 
 
いかがでしたか。
秘密証書遺言についての作成方法をお分りいただけたでしょうか。
作成段階では、自筆証書遺言や公正証書遺言よりも簡単なのがこの遺言の特徴ですが、家庭裁判所での検認が必要という点と、遺言内容自体に専門家が関与しないため、不備による無効の危険がある点で、あまり利用されないのかもしれません。
もし、興味がある場合には、たかの司法書士事務所にご相談ください。