遺言を無効にしない公正証書遺言の作成方法とは

2018-03-02

「自分が亡くなった後のために遺言を残しておきたい。でも、法的に有効な文書が自分で書けるかどうか心配だ…」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
遺言書は、正しい書き方に従っていれば、自分一人で書いたものでも遺言書として効果を発揮します。
しかし、書き方を間違えて法的な有効性を欠いてしまうと、せっかくの遺言書が無駄になってしまいます。
そのような心配をされている方は、公正証書遺言を利用することをおすすめします。
公正証書遺言なら、公証人が立ち会う中で遺言書を作成するため、法的に有効な遺言書を遺すことができます。
そこでここでは、公正証書遺言とは何か、作成するにはどうすればいいのかをご紹介します。

■公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証役場で公証人2人の立ち会いのもとで執筆する遺言書のことです。
基本的には、遺言書を遺したい人が公証役場に行きますが、寝たきりで動けないなどの理由がある場合には公証人に出張してもらうことも可能です。

■公正証書遺言を作成する方法

公正証書遺言作成手続きの流れは以下の通りです。

1.遺言書作成の目的・内容について本人の考えを整理する。
まずは、遺言書を遺すご本人が、何のために・誰のために遺言書を遺すのか考える必要があります。
遺言書でできるのは、財産を特定の相続人に相続させること・遺産分割の割合を指定すること・相続人以外の第三者に財産を遺すこと・遺族にメッセージを遺すこと・遺族の相続手続きの負担を軽減することなどです。
これらを踏まえたうえで、なぜ遺言書を遺すのかを考えましょう。

2.基礎資料の準備
基礎資料とは、印鑑証明書・遺言者と相続人の続柄の分かる戸籍謄本・相続不動産の登記事項証明書と固定資産評価証明書・証人予定者(2名)の名前、住所、生年月日及び職業をメモしたものです。
証人については、信頼のおける友人でも構いませんが、心当たりがない、あるいは秘密を守ってくれるか不安な場合は、守秘義務のある法律の専門家に依頼するのがおすすめです。公証役場で紹介してもらうこともできます。

3.公証人との事前打ち合わせ
本人の居所から最寄りの公証役場に上記の資料を持参して、遺言の内容や手数料などについて公証人と打ち合わせします。
もしくは、公証人でなくても他の法律の専門家にも相談できます。
そのとき、専門用語が飛び交うかもしれませんが、分からないことは遠慮せず尋ねてください。

4.証人2人の立ち会いの下、公証役場で証書を作成
遺言書作成の当日、本人と証人2人が公証役場に訪れます。
作成時は、公証人が本人と証人2人の前で遺言書を読み上げます。
問題が無ければ本人と証人2人が署名・押印し、これで遺言書の完成です。

公正証書遺言の作成には、労力とお金が必要ですが、その代わりに確実に効力のある遺言書を作成することができます。
安心して遺言書を遺したいなら、公正証書遺言がおすすめです。