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「遺言書の撤回」に関する3つのケースと5つの方法

2018-03-30

「遺言書の内容をどうしても変えたい」
「どうしたらいいのか」
遺言書は、一度書いても後で修正したいというケースは多いようですので、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

今回は「遺言書の撤回」に関する3つのケースと5つの方法に分けてご説明します。

 

■遺言書の撤回

被相続人は生きている間に既に作成した遺言書を撤回できることが民法1022条に明記されています。

 

■遺言書の撤回方法

1.遺言書を一つも残さない場合

・遺言書を破棄する
「自筆証書遺言」で、自身で遺言書を保管している場合は、破棄することですでに作成した遺言書を無効にできます。
作成した遺言書が「公正証書遺言」の場合、原本が公証人役場にありますので、手元の「正本」「謄本」を破棄しても遺言の撤回にはなりませんので、ご注意ください。

 

2.新しく遺言書を作らない場合

・遺言書を訂正する
「自筆証書遺言」であれば、自身で遺言書を保管しているので、訂正することで内容を変更できます。ただし、訂正方法は厳格に定められていますので、注意が必要です。

 

・生前処分など遺言後の法律行為に抵触する行為をする
遺言書に「Aに自宅を遺贈する」と記載していても、生前にBに譲渡していれば、その部分だけは遺言の法的効力がなくなります。
この場合、遺言書を書き直したり新しく遺言書を作成する必要はありません。

 

3.新しく遺言を作る場合
・条項を入れた新しい遺言を作る
「被相続人は、○年△月×日に作成した遺言を全部撤回する」という条項を新しい遺言書に加えることで、前の遺言書の全ての内容を撤回できます。

 

・前の遺言の内容と抵触する新しい遺言を作る
「被相続人は、○年△月×日に作成した遺言を全部撤回する」という条項が新しい遺言書になくても、以前の遺言書と抵触する内容が新しい遺言書に書いてあれば、法律上、新しい遺言書の内容が優先されます。以前の遺言書の、新しい遺言書に「抵触する部分」だけが撤回されます。

 

■まとめ

・「遺言書を一つも残さない場合」「遺言書を新たに作らない場合」「遺言書を新しく作る場合」の3つのケースに分類できる。
・自筆証書遺言は、撤回したい遺言書を破棄または訂正することで撤回できる。
・生前処分など、遺言書の内容と抵触する行動を被相続人が生前に行っていた場合、遺言書の「抵触する部分」は撤回されたことになる。
・新しい遺言書を作って前の遺言書を撤回する場合2通りの方法がある。

 

以上が遺言書の撤回方法に関する解説でした。
たかの司法書士事務所では、遺言作成、遺言執行の業務を行っています。
不明な点や不安なことがあれば、気軽にご相談ください。ご連絡お待ちしております。

借金の相続を逃れる方法ー相続放棄とは

2018-03-26

相続権の放棄をお考えの方の中には、
「親の遺産を相続しようとしたら、多額の借金があった…」
「債務超過で相続するメリットがない…」
このようなお悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

資産を超えるほどの債務を相続してしまう、一部の相続人に相続権を集中させたいといった理由で相続放棄を選ぶ方がいらっしゃいます。
そこで、ここでは、相続放棄によって何ができるのか、どのようにすれば相続放棄できるのかをご説明します。

■相続放棄にはどんな効果があるのか

「相続放棄」をすると、「初めから相続人とならなかった」ものとされます。相続人としての一切の権利義務がなくなります。
相続放棄を利用すれば、超過している債務から逃れたり、相続資産を一部の相続人に集約したりできます。
遺産の権利を集約することは遺産分割協議でも可能です。しかし、債務を免れるには、相続放棄によるしかありません。
債務を相続してしまった場合、相続人に返済の義務が発生します。放置していると、相続資産を差し押さえられるだけでなく、相続人自身の資産も返済資金の対象となる可能性があります。
ただし、相続放棄をすると資産に対する相続権も放棄することになるので、不動産や骨とう品など欲しい物だけをもらうということはできないことに注意してください。

■相続放棄をする方法とは

相続放棄をするには、家庭裁判所に申し立てる必要があります。
相続開始から3か月以内に、相続放棄申述書という書類を家庭裁判所に提出してください。
同時に、被相続人の戸籍の附票または住民票の除票、被相続人の死亡が分かる除籍、申述人の戸籍謄本、が必要です。

相続放棄には期限があります。
民法第915条は、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」に相続放棄か限定承認か単純承認を選ばないといけないと規定しています。
通常は被相続人の死亡日から3カ月ですが、被相続人の死亡を知らなかった場合や、存在が認知されていない資産・負債があった場合には、相続の開始が被相続人の死亡日より後だとされる場合もあります。

また、相続人が複数いる場合に他の相続人から相続放棄することの承認・許可を得る必要はありません。
つまり、債務超過などで相続放棄をする必要があると判断すれば、相続人それぞれがご自身の判断でできます。

相続放棄の手続きはそれほど複雑ではありません。
ただし、相続放棄が必要かどうかを判断するには、資産と負債の多少を見極める必要がある場合もあります。その場合には、専門家に相続資産の状況を診てもらうの事をおすすめします。

相続の面倒な手続きに失敗しないための方法

2018-03-22

「親がなくなって相続が発生するけれど、なにか手続きをしなければならないのかな…」
専門家でなければ、ほとんどの方が相続手続きの経験はないでしょう。相続のための手続きはいくつかありますが、ほとんどの手続きはそれほど難しくなく、数も多くないため、ご自身でも十分こなせます。
しかし、不動産の登記のような不慣れな手続きや、ご逝去の後の気が動転しているときの手続の際には、なかなか冷静になれないものです。
そのため、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
ここでは、相談するにあたってまずは知っておくべき、遺産相続に必要な手順をご紹介します。
 

■遺産相続に関する手順

遺産相続をするときには、場合にもよりますが、以下の4つの手順が必要です。

・遺言書の確認
・相続人の確定
・相続財産の全容を把握
・相続税申告

まずは、「遺言書」があるかどうか、あればその内容を確認します。
相続分割の分配を決めるのに必要だからです。遺言書があり、その内容が法的に有効であれば、それに従って遺産の分配が決まります。
ただし、必ず遺言書に従わなければならないわけではなく、相続人全員が遺産分割協議を行うことで財産を分配することも可能です。そのときには「遺産分割協議書」の作成が必要です。

相続にあたっては、「相続財産の全容を把握する」必要があります。
遺族が知らない相続資産があったというケースはよくあります。
また、相続財産には、不動産や株のようなプラスの資産だけでなく、借金のようなマイナスのものも含まれています。
そのため、見逃しているものはないか、債務超過になっていないかなどを確認します。
仮に、債務超過になっている場合は、「相続放棄」によって負債を免れることもできます。
ただし、同時にその他の財産の所有権も失うので注意してください。

また、不動産を相続した場合には、「名義変更登記」をする必要があります。

遺産総額が、相続税の基礎控除額を上回る場合は「相続税の申告」をする必要があります。
基礎控除額を明らかに下回る場合は、申告の必要はありません。
申告が必要な場合、10ヶ月以内に相続税申告を行わなければ、無申告加算税という通常の税率よりも加算された税金を支払わなければなりません。また、基礎控除以外の、配偶者特例や小規模宅地特例を適用することもできなくなってしまいます。

遺産相続のためにはこのようないくつかの手順があります。
ご自身でできないわけではありませんが、手続きに期限があったり、素人では判断できないこと(例えば、財産と負債の見極め)があったりするので、専門家に相談することをおすすめします。

気軽に相続の相談をできる無料相談所の利点とは

2018-03-18

「親が亡くなったので遺産相続が発生するけど、どのように分割するのか分からない。」
「自分がなくなるときに子どもたちにより多く財産を残すにはどうすればいいんだろう。」
相続について、親や子など様々な立場で皆様お悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

専門家でなければ相続問題について慣れている方はほとんどいないので、ちょっとしたことでも分からないことがあります。
そのような時は誰かに相談したいものですが、いきなりお金を払って司法書士などの専門家に相談するというのはハードルが高いのではないでしょうか。
そこで利用できるのが無料相談です。
ここでは、どんなところに相談所があるのか、無料相談をする2つのメリットをご紹介します。

■無料相談所はどこにあるのか

相続相談を無料でできるところは全国にあります。
民間の司法書士事務所や弁護士事務所が独自に相談センターを運営している場合もあれば、地域に相続相談の社団法人が立ち上がっているところもあります。
また、各行政の役所で定期的に司法書士・税理士・弁護士・行政書士などの無料相談を設置している場合も多くあります。

神奈川県海老名市にある「たかの司法書士事務所」もそんな無料相談ができる場所の一つです。
司法書士事務所ですが、他の士業の方と協力して業務を行っているため、司法書士として悩みに答えるだけでなく、悩みを解決するのに適した士業が誰かを診断することもできます。

■無料相談の何がいいのか

無料とはいえ、相談時間がかかるのでなかなか行く気にならないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、無料相談に行くメリットを2つご紹介します。

◇メリット1:あなたの現状がわかる
無料相談なら、お金の心配をせず気軽に状況を把握できます。
相続が発生するといっても、財産の種類や相続人の数など状況によって必要な手続き・それをいつまでにしなければならないのかなど人によって状況が異なります。
ネットで情報を調べればある程度のことは分かりますが、正確にあなたの状況を知るためには専門家に相談するのが良いでしょう。

◇メリット2:ふさわしい相談相手が分かる
相談相手を選ぶことは重要です。
それは、抱えている問題によってどの士業者に相談するべきなのか変わるからという理由もあれば、同種の士業、例えば司法書士のなかで誰を選ぶかも重要になるからです。
無料相談を利用すれば、リフォームで見積もりを取るように個々の士業者の良し悪しも判断できます。

もちろん、実際に手続きを依頼することになれば費用が発生しますが、相談だけなら無料だという場合には、ぜひ活用してみてください。

遺言書を適切に書くには専門家に相談しよう

2018-03-14

「正しく遺言書が書けるか心配だから誰かに相談したい。でも誰に相談すればいいんだろう…」
このようなお悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
遺言書には、弁護士や司法書士などの多くの専門家が関わります。そのため、どの専門家を頼ればいいのか、またこれらの専門家に頼るメリットは何なのか、気になるかと思います。
そこで、ここでは専門家の中から司法書士を選ぶのが良い場合と、司法書士に遺言書の作成を相談・依頼する3つのメリットをご紹介します。

■遺言書作成をどの専門家に相談・依頼するか

遺言書の作成を手伝える士業には、司法書士、弁護士、税理士などがあります。それぞれの特徴を見ることが専門家選びの役に立ちます。

◇司法書士
司法書士は、相続財産に不動産が含まれている方に向いています。
司法書士は不動産や法人の登記手続きを担う専門家です。
そのため、一般的には不動産の相続に関する知識は豊富だと思われます。

◇弁護士
弁護士は、遺言内容が遺留分などで相続人間の紛争が予想されるものである方に向いています。
例えば、遺言によって遺産の全てを法定相続人でない者に相続させることができます。
しかし、法定相続人には遺留分減殺請求によって自分の相続権を主張できるので、結果遺言上の相続人と法定相続人の間で紛争が生じます。
このように、紛争を起こしそうな遺言内容については、法律の専門家である弁護士を頼るのが良いかもしれません。

◇税理士
税理士は、相続税が発生する恐れのある方に向いています。
相続時に相続税が発生する方はそれほど多くないかもしれませんが、基本控除額を越えそうな方は税理士に相談をするのが良いかもしれません。

■遺言書作成を専門家に相談・依頼する3つのメリット

◇メリット1:法的に有効な遺言書が書ける(自筆証書遺言)
ご自身で遺言書を書く場合に最も不安なのは、せっかく書いた遺言書が無効になってしまうことではないでしょうか。
しかし、専門家に相談すれば、事務所によりサービス内容は異なりますが、法的に有効な遺言書を書く手伝いをしてもらえます。

◇メリット2:役場に行く手間が省ける(公正証書遺言)
公正証書遺言を書く場合、証明書類の収集や公証人との事前やりとりのために自治体の役所や公証役場に行く必要があります。
しかし、役所も公証役場は平日しか開いていなかったり、公証役場が自宅・職場から離れていたりと負担が多いこともあります。
専門家に作成を依頼すると、代行によってこれらの負担を軽減できるかもしれません。

◇メリット3:証人になってくれる(公正証書遺言)
公正証書遺言を書くには、2人の証人が必要です。家族や親戚の多くは、この証人にはなれません。
遺言作成はお金のことが絡むデリケートな話なので、友人に証人になってもらうのも憚れるでしょう。
そんなとき、専門家に公正証書遺言の作成を依頼するなかで、証人にもなってもらえます。

遺言書の作成は、ご自身でするには難しい点が多くあります。
公正証書遺言を作成するにしても、個人でやるには多くの負担があります。
司法書士など専門家に相談すれば、これらの問題を解決できるかもしれません。ぜひご相談ください。

相続登記の申請について

2018-03-10

不動産を相続して、ご自身で相続登記をしようとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、相続登記についてお話しします。

 

■相続登記にかかる費用

相続登記を申請する際に、登録免許税を納める必要があります。これが結構な金額になります。

登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%の金額になります。

 

例えば土地の固定資産税評価額が1,500万円であれば、登録免許税額は6万円になります。

登記申請を行う際に、収入印紙を購入して申請書に貼付けて、納付します。

その他にも相続登記に必要になる書類(戸籍・住民票や登記事項証明書など)を取得する際にかかる費用もあります。

 

■相続登記に必要になる書類

○登記申請書

法務局の窓口に行くと手に入れることができます。

法務局のホームページからも入手可能です。

 

○戸籍謄本または除籍謄本

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本もしくは除籍謄本が必要になります。

それぞれの市区町村の役場で取得します。

また、相続人全員の戸籍謄本も必要になります。

 

○住民票の写し

不動産を相続する方については、住民票も必要になります。

 

○遺産分割協議書

相続人が複数いる場合で、法定相続分とは異なる名義にしたい場合には、「遺産分割協議書」を作成して、相続人全員で実印を押印し、相続人全員の印鑑証明書を付ける必要があります。

他にも、場合に応じて、様々な書類が必要になることがあります。

 

■専門家に依頼する?

相続登記は、不動産を相続する方自身で手続きすることが可能です。ただ、戸籍などの資料を集めたり、遺産分割協議書を作って他の相続人から印鑑をもらったりなど、慣れない作業に戸惑う方も多くいらっしゃいます。また、法務局や役所など基本的に平日に動かなければならないため、仕事をされている方はなかなか難しいと思います。

そのため、自分でやってみようと法務局に相談にいったものの、断念して司法書士に依頼するという方も結構いらっしゃいます。

司法書士は専門家として日々相続手続きに関わっていますので、ご依頼頂ければ、早く確実に手続きが進むと思います。ぜひご相談ください。

自筆証書遺言書を無効にしないために気を付ける作成の5つのポイント

2018-03-06

遺された家族がもめないように遺言書を作成したいけど、作成方法が分からないとお悩みではありませんか。
一般的な遺言書(普通方式遺言書)のうち、よく使われているのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。
公正証書遺言なら、確実に有効な遺言を執筆できるので安心ですが、時間とお金がかかるのが気になるかと思います。

一方で、自筆証書遺言なら自分一人で書けるので手軽ですが、もし内容に不備があり遺言として無効になったらどうしようかと心配されているでしょう。
そこで、ここでは自筆証書遺言を無効にしないために気を付けるべき5つのポイントをご紹介します。

■ポイント1:本文及び日付や署名に至るまで全て自筆で書く

自筆証書遺言では、署名はもちろん、本文や日付も必ず自筆で書かなければなりません。
すなわち、パソコンで作成したものや音声・映像などは無効となります。
また、日付を自筆で書かずに判子を押した場合も無効となります。

■ポイント2:日付や情報を明確に記述する

自筆証書遺言では、作成日が特定できる必要があります。
そのため、「2018年1月吉日」のような日付が分からない表現は無効となります。

■ポイント3:署名・押印をし、封入・封印する

遺言書には遺言者の署名、及びその横への押印が必要です。
署名はペンネームなども認められる可能性がありますが、戸籍通りの姓名を書くのが無難です。私は住所まで書くことをお勧めしています。
判子は認め印でも問題ありませんが、本人が書いたという証明のため、実印を用いるのが最適でしょう。

■ポイント4:加除訂正は決められた方式に従う

自筆証書遺言の執筆にあたって、遺言書への加筆・訂正がある場合には法律で定められた方式によって加筆・訂正を行わなければなりません。
もしその方式を守らなければ、遺言書が無効となってしまうためご注意ください。
そのため、加筆・訂正があるときには全て書き直してしまうのが無難でしょう。

■ポイント5:相続人の遺留分や遺言執行者まで考える

有効な遺言書が書けたとしても、遺留分や遺言執行者のことまで配慮が行き届いていなければ、遺言書通りに遺産分配が行われないかもしれません。
例えば、遺族に法定分とは異なる相続分を指定したいとしても、法定相続人が遺留分減殺請求によってあなたの決めた遺産分割に抗うかもしれません。
このときには、遺産分割だけでなくこのような分配にする理由・心情なども記しておく方がよいかもしれません。

また、遺言内容に認知や推定相続人の廃除が含まれる場合には遺言執行者が必要となりますのでご注意ください。
自筆証書遺言を法的に有効にする・遺族に認めてもらうためにはこれらの注意が必要です。

遺言を無効にしない公正証書遺言の作成方法とは

2018-03-02

「自分が亡くなった後のために遺言を残しておきたい。でも、法的に有効な文書が自分で書けるかどうか心配だ…」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
遺言書は、正しい書き方に従っていれば、自分一人で書いたものでも遺言書として効果を発揮します。
しかし、書き方を間違えて法的な有効性を欠いてしまうと、せっかくの遺言書が無駄になってしまいます。
そのような心配をされている方は、公正証書遺言を利用することをおすすめします。
公正証書遺言なら、公証人が立ち会う中で遺言書を作成するため、法的に有効な遺言書を遺すことができます。
そこでここでは、公正証書遺言とは何か、作成するにはどうすればいいのかをご紹介します。

■公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証役場で公証人2人の立ち会いのもとで執筆する遺言書のことです。
基本的には、遺言書を遺したい人が公証役場に行きますが、寝たきりで動けないなどの理由がある場合には公証人に出張してもらうことも可能です。

■公正証書遺言を作成する方法

公正証書遺言作成手続きの流れは以下の通りです。

1.遺言書作成の目的・内容について本人の考えを整理する。
まずは、遺言書を遺すご本人が、何のために・誰のために遺言書を遺すのか考える必要があります。
遺言書でできるのは、財産を特定の相続人に相続させること・遺産分割の割合を指定すること・相続人以外の第三者に財産を遺すこと・遺族にメッセージを遺すこと・遺族の相続手続きの負担を軽減することなどです。
これらを踏まえたうえで、なぜ遺言書を遺すのかを考えましょう。

2.基礎資料の準備
基礎資料とは、印鑑証明書・遺言者と相続人の続柄の分かる戸籍謄本・相続不動産の登記事項証明書と固定資産評価証明書・証人予定者(2名)の名前、住所、生年月日及び職業をメモしたものです。
証人については、信頼のおける友人でも構いませんが、心当たりがない、あるいは秘密を守ってくれるか不安な場合は、守秘義務のある法律の専門家に依頼するのがおすすめです。公証役場で紹介してもらうこともできます。

3.公証人との事前打ち合わせ
本人の居所から最寄りの公証役場に上記の資料を持参して、遺言の内容や手数料などについて公証人と打ち合わせします。
もしくは、公証人でなくても他の法律の専門家にも相談できます。
そのとき、専門用語が飛び交うかもしれませんが、分からないことは遠慮せず尋ねてください。

4.証人2人の立ち会いの下、公証役場で証書を作成
遺言書作成の当日、本人と証人2人が公証役場に訪れます。
作成時は、公証人が本人と証人2人の前で遺言書を読み上げます。
問題が無ければ本人と証人2人が署名・押印し、これで遺言書の完成です。

公正証書遺言の作成には、労力とお金が必要ですが、その代わりに確実に効力のある遺言書を作成することができます。
安心して遺言書を遺したいなら、公正証書遺言がおすすめです。

専門家に任せてしまいたい面倒な相続登記とは

2018-02-26

「不動産の相続登記をしなければならないけど、手続きって何をすればいいんだろうか。」とお悩みではないでしょうか。
相続により不動産の名義を変更するには、登記手続きが必要です。
そこで、ここでは登記の方法や必要な書類について少しご紹介します。
詳細なことは複雑で状況によって変わるため専門家に相談するのがおすすめですが、相談前にこれを読めば、話も理解しやすく相談もスムーズに行くかと思います。

■相続登記をする方法

相続登記をするには、登記申請書に、必要書類を添付して、法務局に提出する必要があります。

登記に必要な書類には大きく3種類あります。
1つ目は、被相続人と相続人の相続関係を示すための書類です。
これは、被相続人の戸籍除籍・改製原戸籍、相続人全員の戸籍や相続関係説明図があります。

このうち、被相続人の戸籍除籍は亡くなった時点でのものだけでなく、生まれてからの除籍・改製原戸籍を全て収集しなければなりません(ただし、公正証書遺言による場合は最後の戸籍除籍だけで可)。
これは、相続関係説明図に記載された者が相続人の全員であることを証明するためです。

2つ目は、固定資産評価証明書です。
固定資産評価証明書とは名前の通り固定資産の評価額を証明したもので、登記手続きで支払う登録免許税を算出するために用いられます。

3つ目は、登記原因証明情報です。
「登記原因証明情報」という名前の書類はなく、相続の仕方によって提出すべき書類が変わってきます。
有効な遺言書に基づいて遺産相続が行われた場合、遺言書が登記原因証明情報となります。遺言が無く、遺産分割協議を行って遺産の分配を定めた場合には、遺産分割協議書が登記原因証明情報となります。法定相続分通りに登記をする場合は、戸籍謄本等と相続関係説明図自体が登記原因証明情報となります。

必要な書類が全て揃えば登記が完了し、登記識別情報(昔の権利証)がもらえます。
書類に不備があれば、法務局から電話連絡がきますので、訂正をしに再度法務局に出向く必要があります。
法務局は平日しか空いておらず、必要書類の多くは役所で取得するため、平日に動く必要があります。
平日は仕事でなかなか動けないという方は、専門家に依頼するのが良いかと思います。

相続登記に必要な費用と書類について簡単解説

2018-02-22

相続登記とは、相続した不動産の名義変更を行う手続きのことです。

これには、費用や様々な書類が必要となります。

そこで今回は、相続登記に必要な費用と書類についてご紹介します。

■登録免許税

相続登記をするには、登録免許税という税金を納める必要があります。

登録免許税は、法務局や郵便局などで収入印紙を購入してその収入印紙を登記申請書に貼り付けて納めます。

登録免許税額は、不動産の固定資産税評価額×0.4%です。

例えば、土地と建物合計で2,000万円の評価額であれば、登録免許税額は80,000円になります。

■司法書士報酬

相続登記の手続きは自分でも行えますが、書類の収集や作成の面倒は避けたい、平日に法務局へ行く時間がなかなか取れないという場合、司法書士に依頼するのが良いでしょう。

相続登記の司法書士報酬は特に規定はなく自由化されています。詳細は司法書士に確認するようにしましょう。

次に、ご自身で登記申請することを想定して、相続登記に必要な書類をご紹介します。

■登記申請書

相続登記は法務局に申請書を提出して行います。法務局へ相談に行くとひな形をもらえます。

なお、法務局の相談は、事前の電話予約が必要です。

■相続登記の対象となる不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

法務局で取得します。不動産の地番や家屋番号が分かれば、どこの法務局でも取得できます。登記申請書には、登記事項証明書の記載通りに不動産の表示を記載する必要があります。

■被相続人の住民票の除表票

住民票に、被相続人が亡くなった旨の記載がされたものです。

相続人であれば故人の最終住所の市区町村の役場で取得できます。

■被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本一式

被相続人の法定相続人を確定するために必要な書類です。被相続人の出生まで遡って、除籍謄本や改製原戸籍謄本を取得する必要があります。

被相続人が本籍を何度も変わっている場合は取得がかなり面倒になります。

■相続人全員の現在の戸籍謄本

各相続人の本籍地をの市区町村役場で取得できます。

■遺産分割協議書もしくは遺言

その不動産をどの相続人が相続するのか。それを明らかにするため、遺言書か、遺産分割協議書が必要になります。相続人がそもそも一人だけの場合は不要です。

遺言書は、遺言公正証書の正本か、検認済みの自筆証書遺言が必要です。

遺産分割協議書は、その不動産を誰が相続するのか記載されたもので、相続人全員の実印が押印され、全員の印鑑証明書が付けられたものが必要です。
法務局に相談するとひな形をもらえます。

以上、相続登記に必要な書類をざっくりですがご紹介しました。

他にも必要となる書類がある場合もありますので、法務局や司法書士に相談して下さい。

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